アジア経済研究所 – フォトアーカイブス「1960年代の開発途上国」とアジア動向データベース


[ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) 」の記事から、アジア経済研究所(アジ研)に関連して二つの情報。

1.フォトアーカイブス 1960年代の開発途上国
アジア経済研究所の職員が1959年~1968年に開発途上国に出張した際、調査記録等のために撮影したスライドフィルムを電子画像化したもの。
リンク: アジア経済研究所 – 図書館 – フォトアーカイブス.

「ご本人あるいはご遺族の方に使用許諾」を取って公開しているが、惜しむらくはCreative Commonsになっていないということだろう。

2.アジア動向データベース

リンク: アジア経済研究所 アジア動向年報 – ブラウジング.

1970年からの『アジア動向年報』を全文検索できるようになった。『アジア動向年報』は、アジアの調査研究をするときの基礎資料の定番であり、30数年分を一気に検索できるというのは画期的だ。

ただ残念ながら、最新5年分は賛助会法人会員のみの公開だそうだ。ARGの岡本さんは以下のようにコメントしている。

賛助会員になるには最低でも年額14万円を要する上、あくまで法人を対象としている。せめて、最新1年分を会員向けとすることや、個人利用会員(年額1万円)の利用を認めることはできないものだろうか。

会費収入の増加がさまざまな事情で必要になってくると、賛助会員へのサービス向上が求められ、経営的寄与の少ない個人会員へのサービスは相対的に低下させられていくし、まして一般への無償公開の範囲は制限されることになる。

ただそれよりも問題なのは、制限されたコンテンツは、インターネット全体のデータベースに組み入れられないということだ。『アジア動向年報』のような基礎調査データは、普段一般の人に省みられることはないけれども、ネットで自生的には生成されにくい内容も多いはずだ。昨今検索エンジンの検索結果の上位に、wikipediaのデータが出てくることが増えたが、『アジア動向年報』のデータも、余計な制限をかけなければ、同じように検索結果上位に表示されるようになるはずだ。

年報データベースにせよ、写真のデータにせよ、アジ研の持つこうしたデータは、公共的資源として社会に無償で還元されるべき最たるものであるように思うし、それはアジ研という組織の「効率性」とは切り離して議論されるべきものである。独立行政法人に「効率性」や「採算性」を要求するのはいいけれども、国民が広く共有するべきリソースを有料化し、結果的にリソースが有効に活用されないような事態を招くようならば、かえって社会全体の「効率性」を損なっているように思う。

2 件のコメント

  • [編集日誌]2007-08-15(Wed): 会員向けコンテンツの是非

    一戸信哉さんが、 ・「アジア経済研究所図書館、フォトアーカイブスに「1960年のインド:変化の予兆を写す」を追加」(新着・新発見リソース、2007-08-13) http://d.hatena.ne.jp/arg/20070813/1186932268 ・「アジア経済研究所図書館、アジア動向データベースを公開」(新…

  • [編集日誌]2007-08-28(Mon): 様々な人がそれぞれの観点から批評するということ

    様々な人がそれぞれの観点から批評するということは、やはり大事なことだ。もちろん、当り前の話ではあるけれど。そのための一つのきっかけに、ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)がなればうれしい。 たとえば、 ・「アジア経済研究所図書館、フォトアーカイブスに「1960年のイ…

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