「書を買おう、町へ出よう」~文化系書店Life堂開店へ (文化系トークラジオ Life)


Charlieこと鈴木謙介さんのことは、この前の著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム
「コミケ、2ちゃんねる、はてなセリフと作家と著作権」
で知った。それをきっかけに、彼がメインパーソナリティをつとめる、TBSラジオ「文化系トークラジオLife」のポッドキャスティングをよく聞いている。この番組は日曜深夜、他のラジオ局が休止している間にやっている番組で、そのポジションはかつて僕が聞いていたラジオ大阪の「ぬかるみの世界」と同じだ。

若者向けの番組だが、結構意識の高い層をターゲットにしているようだ。今年に入ってからのテーマはこんな感じだ。

  • 2007/06/17 「若者文化(ユースカルチャー)」
  • 2007/06/04 「運動」
  • 2007/05/19 「文化と貧乏/文化系とお金」公開録音
  • 2007/04/22 「友達」
  • 2007/03/31 「Life」
  • 2007/03/24 「Jの時代」
  • 2007/03/17 「教養」
  • 2007/03/10 「憧れの男性(ひと)」
  • 2007/02/25 「大人になるということ」
  • 2007/02/17 「『叫』~黒沢清監督を迎えて」
  • 2007/02/10 「憧れの女性(ひと)」
  • 2007/02/03 「東京」
  • 2007/01/27 「『働く』ということ」
  • 2007/01/20 「不良・ツッパリ・ヤンキー」
  • 2007/01/13「失われた10年~Lost Generation?」
  • 2007/01/06 「ラジオ」
  • 2007/01/01 「文化系大新年会~朝まで生Life!」

ラジオで育った30代から見ると、いいテーマ設定に見えるが、これで「若者」の心をどこまでつかめているのかは、実はやっている人たちもまだ確信がないのではないかという気がする。

さて、表題の件。渋谷のブックファーストで、Lifeのパーソナリティの選んだ本を紹介するブックフェアを行うそうだ。

リンク: 「書を買おう、町へ出よう」~文化系書店Life堂開店へ (文化系トークラジオ Life).

本を選ぶということには、当然その人の興味関心から思想信条まで、頭の中身がある種現れてくるはずだ。それをツールにして、リスナーと対話するという番組の姿勢は、すごく共感できるものがある。選ばれた本に込めた思いをパーソナリティが語り、それに対する反応をリスナーが番組によせ、またブログに書く。そういう循環ができるならば、この番組は、「まだまだラジオも捨てたもんじゃないね」と多くの人に思わせる、もっともっといい番組になっていくように思う。

「この本は読んでおかないとね」という先輩たちの言葉を、大学に入ってからよくきいた。それが正しかったのかどうか、もうわからなくなってしまったけれども、早稲田のあゆみブックスには、専門書が結構充実していた。「文化系の人たちは押さえておくべき」とされる、その手の知の世界が追求できるよう、ちゃんと本が用意されていた。古い本は、早稲田通りの古本屋にあって、10円とか100円で、結構いろんな本が手に入った。

本の入手に関しては、もう地域間の格差はなくなった。また、ある程度大人になれば、断片的にネット上を行きかっている情報を再構成して、自分の読むべき本の情報を集めてくることも難しくはない。

しかし最初の羅針盤を、学校の先生はあまり示してくれないので、どこにどう進んでいいのかわからない高校生って、結構多いんじゃないかと思う。このラジオ番組はそのオルタナティブとして機能することを目指しているようにおもうが、それって大学がやったっていいわけだ。高校生がついてこれるような、あるいはあこがれておとなしくしたがってしまうような、そういうオーラのようなものがあればいい。

敬和の100冊も、もうちょっとバリエーションを増やすとか、あるいは選書した先生のインタビューをするとか、もっと積極的な情報発信ツールにするべきじゃないかなあという気がしてきた。

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