e香典袋


今回の弟のように、若くして人が亡くなると、弔問客の平均年齢もぐぐっと下がることになるのだが、結果的にお葬式の経験が必ずしも豊富ではない方々が、たくさん葬儀に参列してくれることになる。
葬儀というのはどたばたと行われるものなので、遺族側も革新的なことはなかなかできない。

そういう状況の下、今回特に工夫の余地があるなあと思ったのは、香典袋や芳名帖についてである。

今回葬儀屋は、芳名帖を受付に置いてくれて、そこに名前と住所を書いてもらう形で受付をした。一方、弔問に来てくれた方の多くが、香典を持ってきてくれた。

さて、そこでだ。遺族側には、1.芳名帖、2.香典袋、という二種類の個人情報が残ることになる。これらをその後のためにリストとして入力していくことになる。今回はExcelで簡単に作ったリストを、手分けして埋めていく形をとったが、こうした処理に特化したソフトもあるようだ。が、いずれにせよ、こうした情報の入力は手入力だ。

一方、今回弔問に来てくださった方々の多くは、普段は手書きで何かを書くことのとりわけ少ない、IT業界の方々であった。その手書きで書いていただいたものを持ってきていただくのも非常に心苦しいのだが、それと同時に、その手書きで書いていただいたものを、こちらが再度手入力するというのも、この時代になんとも空しい感じがした。たぶん人によっては、「全部プリンタで印刷しただけの年賀状なんて、心がこもってない」式の発想で、デジタル化されたら故人を悼んでいるように見えないという意見を持つのかもしれないが、その後の情報の処理の煩雑さを自ら受け入れてまで、そのような「心」を要求する必要があるのだろうかと、僕は思ってしまった。

さらにこうした事情(たぶん手書き入力にためらいを感じる方が多かった)により、内袋に住所の無い袋、金額欄が空欄の袋、表書きは連名だが中は一人だけの名前のという方、複数名で香典をくださったが芳名帖には個別に名前を書いてくださった方など、処理されるべき手書き情報が統一されていない状態ももたらされた。

こうした事態に顔をしかめる年長者もいるわけだが、僕はこの方々を責めるつもりは毛頭ない。時代の変化とともに、やり方のほうを変えて行くべきだと感じた。そもそも形式にこだわらなければ、電子的に名前を書いてもらうとか、香典袋にQRコードがついてて情報を読み取ってそのまま芳名帖に書いてもらったのと同じようにするとか、携帯から赤外線で記帳してもらうとか、その他色々方法があるんじゃないかと思った。

形式によって気持ちを表すというやり方を、全面的に否定するつもりもないけれど、今回電子的に交換されている、諸々の、弟に対する追悼文や関連するデータは、形式によって表されるものよりも、より実質的に、弟に対する気持ちを体現しているように見える。形式的なものは簡素化して、より実質的に追悼してもらうことに焦点を絞ってくれたほうが、僕だったらうれしいけどなあ。

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