黒木ルール


黒木ルールICHINOHE Blog

実名/匿名論争に出てくる、東北大の黒木玄さんによる「黒木ルール」というのを拝見した。99年に制定されたもので、「その筋」(?)では有名なようだが、僕は名前だけしか知らなかった。若い世代はもっと知らないだろう、というわけで再掲。

リンク: 黒木のなんでも掲示板:利用上の注意.

筆者が運営している math.tohoku.ac.jp 内の掲示板においては、「匿名」で他人を批判することを禁止します。批判が的を外していた場合には、恥をかくことで責任を取ってもらいたい。

ただし、ここで「匿名」とは、自分自身の趣味・嗜好を明らかにせず、自分の所属も E-mail address も web site の
URL も公開してない方のことです。最終的に「匿名」であるか否かの判定は管理者の主観によって行なわれますが、その基準は大体以下の通り。

実名や所属を隠し、ハンドルを用いている方であっても、自分の趣味・嗜好を十分に表現している方は「匿名」とはみなしません。例えば、ウェブ検索エ
ンジンでハンドルを検索することによって、他の場所で自分の趣味・嗜好を十分表現していることを容易に確認できる方は「匿名」とはみなしません。もちろ
ん、作家のペンネームなども「匿名」とはみなしません。

一方、たとえ実名であっても、それが有名でもなく、所属も E-mail address も web site
も公開してなくて、趣味・嗜好を明らかにしてない場合は「匿名」とみなします。
(そもそも、実名であるか否かを調べることは困難なので、判定基準に用いることはできない。)

また、所属のわからない E-mail address もしくは中身のない web site
の公開だけでは、趣味・嗜好を明らかにしているとは言えないので、「匿名」とみなすことがあります。自分がどこの誰なのか隠したい方は、全力で自分の趣
味・嗜好を明らかにするよう努力して下さい。それができないのなら、他人を批判せずに穏当な発言のみをするようにして下さい。

つまり、「実名」だけではなく、「趣味趣向を明らかにしているかどうか」により、批判の可否を決定しようということだ。「実名を明らかにしての批判ならば卑怯ではない」ということではなく、ある程度氏素性が明らかになっていなければならない。したがって、誰も知らないような、しかもその正しさが保証されないような、「実名」を名乗ったところで、それだけでは「卑怯ではない」ことにならない。「実名」が無名の人は、「実名」であっても所属等の氏素性か、さもなくば「趣味趣向」を明らかにする必要が生じる。

この試み全体が、「実名だけで、ネットの平和は確保するわけじゃないよね?」という見解の、シニカルな表明のように見えなくもない。

批判の対象と対等な立場に立ったといえるぐらいに、自分のことを明らかにしてくれ、ということを、「趣味趣向を明らかにする」という形で表現されているのであろう。今日的文脈で考えると、そうした効果をもたらすような、つまり氏素性を明らかにするような、「趣味趣向」を持っている人は少ないような気がするので、「趣味趣向」の部分で具体的に何を要求するかが大事になってきそうだ。