ギニア:「政府職員」ら強制収容 外交ビザで不法就労 -事件:MSN毎日インタラクティブ


リンク: ギニア:「政府職員」ら強制収容 外交ビザで不法就労 -事件:MSN毎日インタラクティブ.

 関係者によると、3人はギニア政府職員や大使館関係者の親族ら。いずれも外交官らに発給される外交ビザや公用ビザで入国したにもかかわらず、民間の工場
で不法就労するなど公務に就いていなかった。このため入管当局は、不法残留や資格外活動の疑いがあるとして摘発に踏み切った。

イラン人家族の退去強制のニュースでは、ミクシーでのユーザの反応は、「不法残留をやっといて、いろいろ事情があるから在留許可をくれというのは、あまりにむしがよすぎる」
というものが圧倒的多数だった。今回も、「外交ビザや公用ビザできておいて、働いてたのか。金が目当てなのか。けしからん。」と、たぶんそうなるだろう。

そうでもして日本に来たいと思っている人たちがいるのはたしかだし、そう思わせるだけの豊かさ(あるいはそのような幻想)が、日本にはあるということなのだが。

それに対して、日本政府は「よっぽど役に立つ奴しか入れてやらない」とか「お金持ってる人しか日本で勉強させてやらない」といった厳しい基準を設け、国内にいる日本人はそれを知らない(し、他人事なので関心がない)ので、「日本が決めたルールにのっとってくればいいのに」と思っている。でも日本人が彼らに要求している「ルール」は、日本人が旅行に行くときのように、「とりあえずパスポートはちゃんと持っていこう」なんていう生易しいものではないのだ。

日本人と違って、みんな日本に入国したら、そこで圧倒的に異なる貨幣価値のもとで暮らし始めて、もう帰りたくなくなっちゃうので、「そんなことを思わないような金持ち」だけが入国できるということなのかもしれない(特に留学生はそういう基準で計られている)。

おそらく多くの日本人が無意識に立脚しているのは、外国人がいっぱい入ってきたら、怪しいことをやりはじめて治安は乱れるし、優秀だったら優秀だったで日本人の仕事を奪うし、という危機感なのだと思う。でも「研修」なんていう変な制度は、実態は明らかに「就労」なのに、「彼らは研修中なので安い賃金しか払わなくていい」という建前と、「彼らはいずれ技能を身につけて帰る人たちなので、就労しているわけではないですよ」という建前と、「みなさんこの額でも日本に来たいでしょ?」という本音が複雑に絡み合って、人知れず全国津々浦々で定着していっている。で、多くの日本人は、これが何なのかわからず(興味もなく)、ときどき事件が起こったときだけ、「へえ、研修している人たちが居るんだねえ」といっている。

リンク: 東日本の縫製工場、イスラム教徒研修生に「礼拝禁止」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

おそらくこのニュースに接した多くの日本人は、雇用側に憤慨するのだろう。でもあくまで他人事としてだ。「役に立って共生できて、他人に迷惑をかけない外国人」を受け入れるというのは、入管の基本的な発想であり、広く日本人が望んでいることかもしれない。しかしこれを実現するためには、「疑わしい国」から来た人々の権利は、あまり考慮されない。認められたビザの範囲でしか行動できないというのは、法律上は当然の制度であるが、しかし厳格に適用すれば、人格否定につながりかねない。でもそんなもんだ、あんたら外国人だ。日本人の多くはそう考えているし、入管はそういう世論に支えられている。だから、休憩時間の礼拝禁止はひどいといわれるが、そこまでやるようなセンスの人が、「研修」という名の「雇用」をしていることを、誰も気にも留めなかったのである。

「美しい国」っていうのは行き詰るような監視社会である、という声をちらほら聞く。それに対する論評はまだ差し控えるが、もし「美しい国」になるのだすれば、「自分だけ美しい国」ということになるんじゃないかという気がする。それぐらい日本人の外国人問題への無関心は著しく、相変わらず少子化対策とこの問題をきちんとリンクさせて考える人は少ない。「俺英語できないからなあ」なんて言い訳をしている場合ではないと思う。

1 個のコメント

  •  高いところを目指すのは一般人の本能である。それで自国より豊かな所での生活を夢見ている。発展途上国から先進国に足を運ぶこと。だが、逆の理論から考えれば、先進国は自国より生活水準が低い国からの入国を厳しく規制している。まさに、日本人の一般人の考えは貧しい国から来た人に対し警戒感を抱く。日本政府としても自国の社会治安を保護するため、入国条件ハードルを高く設定するのも理解できる。こっちがある政策を出すと、そっちでも適応した対応を取る。それで、様々な経路で入国を図る。その手段としてビザが必要だが、就労であれ、留学であれ、ビザの資格はともかく最終目的は金儲けが少なくない。

  • Twitter

    Facebook

    AppBank Store

    カテゴリー

    2006年12月
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031

    Instagram

    Instagram