ITmedia News:パロディサイト訴訟に決着――守られた言論の自由


香港から戻ったが、今週は、チェーンレクチャーの担当が2つ、週末には学会があり、何かとバタバタと。昨日も別の会議に出るために上京予定だったが、かなわず。すみません。

さて、ブログのほうもRSSに未読記事がたまっているので、あまりコメントをつけられないが、少しずつ。

まず、下記のもの。パロディサイトに対して、元ネタのテレビ番組の商標権を持つ会社に警告を発しつづけた。が、逆に市民団体である電子フロンティア財団EFFが、表現の自由とフェアユースだとして、この会社を訴えた。で、訴えは取り下げられた、という事例。

リンク: ITmedia News:パロディサイト訴訟に決着――守られた言論の自由.

米国著作権法のフェア・ユースに関する規定は以下の通り(CRICの訳文)。

第107条 排他的権利の制限:フェア・ユース

...批評、解説、ニュース報道、教授(教室における使用のために複数のコピーを作成する行為を含む)、研究または調査等を目的とする著作権のある著作物のフェア・ユース(コピーまたはレコードへの複製その他第106条に定める手段による使用を含む)は、著作権の侵害とならない。著作物の使用がフェア・ユースとなるか否かを判断する場合に考慮すべき要素は、以下のものを含む。

   (1)  使用の目的および性質(使用が商業性を有するかまたは非営利的教育目的かを含む)。

(2)  著作権のある著作物の性質。

(3)  著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性。

(4)  著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響。

上記の全ての要素を考慮してフェア・ユースが認定された場合、著作物が未発行であるという事実自体は、かかる認定を妨げない。

(1)-(4)の点について、裁判所によって総合的に判断される。判断のポイントはそれぞれこのようになる(参考文献は、八代英輝『コンテンツビジネス・マネジメント』東洋経済新報社、2005年)。おさらい。

1.使用目的とその性質: 既存の著作物をベースに新たな要素を加えて、新たな著作物を創造する、「transformative」なのものであるのかどうか。そうであれば、判断は緩和される。

2.使用される著作物の性質:元となった著作物が「著作物が著作権保護の核心に近いかどうか」、つまり、より手厚い保護を受けるべきものであるかということ。具体的には、思想表現的なもの/事実的なもの、という二分法で判断される。学術論文は事実的だが、小説は思想表現的、という分類になる。

3.使用部分の量及び実質性:使用した量が多ければより厳しく判断される。実質性というのは、つまり元の著作物の核心となる部分を使用しているかどうかということのようだ。

4.潜在的マーケットへの消極的影響: 元となった著作物の潜在的市場(これから売り込もうとしている市場?)に消極的影響を与えるかどうか。米国法では4番目が最も重視される傾向にあるという。が、一方で、「原作品の需要減につながる行為であっても、辛らつな批評は許容される」という。

4はすなわち、元ネタの売り上げに悪影響が出るほどのパロディにするつもりならば、徹底した辛らつさでやりなさい、という風にも見える。もっとも裁判所の判断の振れ幅が大きく出てきそうだ。

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