ユーミーの「卒業生の言葉」


ユーミーの「卒業生の言葉」ICHINOHE Blog今年の卒業式が終わった。「決意表明」の通り、ユーミーの「卒業生の言葉」は見事に大ヒット。丸山学長や来賓の稚内市長まで笑わせることができた。単に笑わせるだけでなく、彼女が4年間取り組んできたマルチな活動や卒業生みんなが共有できるエピソードを織り交ぜて、「泣ける」内容でもあった。なにより、「心の128単位」をはじめ「くさいセリフ」をちりばめたスピーチが、一戸ゼミの5年間の歴史を象徴していた。うれしかった。貴重な映像資料が残っているので、近日どこかで公開したい。帰省していた在校生たちにも、ぜひ見てほしい。
彼女の言うとおり、このスピーチは彼女の大学生活4年間の集大成であった。卒業研究ではなく、スピーチが集大成となってしまうところがまた、一戸ゼミらしい。「何を学ぶかじゃない。誰と学ぶかだ。」。ソフトウェア研究が主流を占める学部で傍流にある自分たちを、半ば自虐的に形容したこの言葉。そういいながら、なぜかIT産業で働くことになってしまった現在のOBが、2001年ごろに言い出したものだ。最初は笑ってやりすごしていたけれども、今にして思えば、その通りだった。ゼミという集団が、18歳で大人ばかりの1426研究室をノックした彼女を、ここまでの「大女優」に育て上げたのだと思う。
決して僕が彼女を育てたとは思わない。
彼女が入学した頃、僕はまだ駆け出し教員で、正直右も左もわからないような状態だった。慣れない土地での生活に、まだ僕自身が不安を抱えていたかもしれない。ほとんど僕と同世代の社会人入学軍団が、勝手にゼミを「仕切り」はじめていたので、僕がやったことといえば彼らの暴走を適宜止める程度で(止めてないと非難されたこともあったが)あったように思う。しかしその結果、かえって集団はまとまり、自律的な集団として、次第に力を発揮していくようになった。
こうした地盤ができた頃に入学してきたのが、彼女たちである。一風変わった「大人集団」が多くの18歳の子供たちに敬遠される中、札幌の同じ高校を卒業した元気な三人組が、「体験入学でカレーを一緒に食べた」先生のゼミを、のぞきに来てくれた。そのうちの一人がユーミーだった。こういうと彼女のその後の努力を認めていないことになるが、そのときから彼女の成長は約束されていたのかもしれない。彼女たちは、上の世代の「いいところ」を吸収してくれた。もともと彼女の中にあったチャレンジ精神を、大人たちと接する中でさらに発展させ、後輩たちに伝えてくれた。ここでも僕は、「そうだそうだ」とうなづくだけだった。唯一上の世代と違うのは、彼女はよく勉強し、成果を残したことか。
いつも笑顔を絶やさずに、常に笑いを追い求め、楽しく語りあい、互いの成長を確かめ合う。この雰囲気の中で、下の世代の学生たちも、徐々に育ってきている。
結局、僕自身の成果というより、最初に礎を作ってくれた先輩たちの力が、ユーミーの成長をもたらしたのだ。というわけで、これなかったOBの皆さんも、ぜひ彼女の「卒業生の言葉」を見てください。皆さんのおかげで、ユーミーは立派に成長しました。そして、その姿を見ながら、結局僕もゼミの学生たちに育てられてきたんだと再確認しました。
来年から一戸ゼミは、他分野とのコラボレーションに挑戦する予定だ(この道筋作りにも、ユーミーが一役買っている)。
「ゼミが人を育てる」という一戸ゼミの伝統は、徐々に他のゼミにも伝染していくことだろう。一方研究面でも、他流試合の中でもまれて、これまで以上にすばらしい成果が生み出されていくことだろう。緩やかな連携の中で、これまでの専門の壁を取っ払い、「人を育てる」すばらしい集団がさらに拡大・発展していってほしい。
そういう構想がまとまりつつある中、偶然にも彼女の力が最後の大舞台で発揮され、卒業生たちの心に、たくさんの勇気と思い出を与えた。
大きな波がやってくる「前兆」だと思いたい。

「ユーミーの「卒業生の言葉」」への2件のフィードバック

  1. 卒業生の言葉

    20日、卒業式が終了しました。
    とてもありがたいことに、卒業生を代表して言葉を述べるというチャンスをいただきました。
    4年間の締めくくりとして最高に楽しい経験で…

  2. 一戸先生とゼミと私

    一戸先生にお褒めの言葉を頂いて、大変光栄です。
    ICHINOHE Blog:『ユーミーの「卒業生の言葉」』
    ・・・褒められすぎて恐縮です。こちょばしいっ
    「決…

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